出典:国立国会図書館「近代日本人の肖像」(https://www.ndl.go.jp/portrait/)萩原朔太郎の名言
萩原朔太郎|1886〜1942年|日本|詩人
群馬県前橋の医者の家に生まれた。1917年の第一詩集『月に吠える』で、話し言葉による自由な詩(口語自由詩)を芸術の高みに引き上げ、「日本近代詩の父」と呼ばれる。『青猫』『純情小曲集』『氷島』などの詩集のほか、詩論やアフォリズム(短い警句)、評論も数多く書いた。マンドリンを愛した音楽好きでもあった。
のせている言葉:11こ(出典あり 11)更新:2026-10-20
この人の名言の一覧(11こ)
- ふらんすへ行きたしと思へども ふらんすはあまりに…
- 詩とは感情の神経を掴んだものである。生きて働く心…
- 詩の本来の目的は寧ろそれらの者を通じて、人心の内…
- 光る地面に竹が生え、青竹が生え、地下には竹の根が…
- まつくろけの猫が二疋、なやましいよるの家根のうへ…
- 人生の幸福人とは、自己の所有権に属する全財産を、…
- ああ 人生はどこを向いても いちめんに麦のながれ…
- 郵便局といふものは、港や停車場と同じやうに、人生…
- とはいへ環境の闇を突破すべき、どんな力がそこにあ…
- すべての橋は、一つの建築意匠しか持つてゐない。時…
- 人が家の中に住んでるのは、地上の悲しい風景である…
それぞれの名言に、出典(どの本・手紙・演説か)と、確かさのしるし(出典あり伝承・出典未確認実は言っていない)をつけています。外国語の言葉は運営者が原文から訳しました。
ふらんすへ行きたしと思へども ふらんすはあまりに遠し せめては新しき背廣をきて きままなる旅にいでてみん。
出典:詩「旅上」(詩集『純情小曲集』)(1925年)
出典について青空文庫『純情小曲集』の本文で確認。初出は1913年の雑誌。
意味と背景
フランスへ行きたいと思うけれど、フランスはあまりに遠い。せめて新しい背広を着て、気ままな旅に出てみよう、という詩の書き出し。叶わない大きな夢を抱えながら、今できる小さな一歩で心を満たそうとする、あこがれと現実の間の気持ちが表れている。
座右の銘にするなら・面接での答え方
大きな夢と今できることの両方を大切にしたい人の座右の銘です。面接では、留学という夢がすぐには叶わなくても、まずは国内で外国の人と交流する活動から始めた経験を話し、小さな一歩から夢に近づく姿勢を伝えるとよいでしょう。
詩とは感情の神経を掴んだものである。生きて働く心理学である。
出典:詩集『月に吠える』序(1917年)
出典について青空文庫『月に吠える』の本文で確認。
意味と背景
詩とは、人の感情の神経そのものをつかみ取ったものであり、生きて動いている心理学だ、という朔太郎の詩の定義。理屈や思想を述べるのではなく、心の奥で震えている感情をじかに言葉にすることこそ詩の役目だと考えた。
座右の銘にするなら・面接での答え方
人の気持ちを言葉にする仕事を目指す人の座右の銘になります。面接では、広告や文章の仕事を志す理由として、人の感情に直接届く言葉をつくりたいと話し、この言葉を紹介すると、志望動機に深みが出ます。
詩の本来の目的は寧ろそれらの者を通じて、人心の内部に顫動する所の感情そのものの本質を凝視し、かつ感情をさかんに流露させることである。
出典:詩集『月に吠える』序(1917年)
出典について青空文庫『月に吠える』の本文で確認。直前に「詩の表現の目的は単に情調のための情調を表現することではない」とある。
意味と背景
詩の本当の目的は、気分や幻想や思想を描くこと自体ではなく、それらを通して、人の心の中で震えている感情の本質をじっと見つめ、それを生き生きと流れ出させることだ、という意味。感情を見つめる目と、表す力の両方が大切だと説いている。
座右の銘にするなら・面接での答え方
自分の気持ちをよく見つめてから表現したい人に合う言葉です。面接では、作文や発表で、まず自分が本当に感じたことを見つめ直してから言葉にするよう心がけてきたと話すと、表現への姿勢が伝わります。
光る地面に竹が生え、青竹が生え、地下には竹の根が生え、根がしだいにほそらみ、根の先より繊毛が生え、かすかにけぶる繊毛が生え、かすかにふるえ。
出典:詩「竹」(詩集『月に吠える』)(1917年)
出典について青空文庫『月に吠える』の本文で確認。
意味と背景
光る地面に竹が生え、地下では根が伸びて細くなり、その先に細い毛が生えて、かすかに震えている、という詩。地上の竹から目に見えない地下の根の先まで、「生え」を繰り返してたどり、神経が震えるような繊細な感覚を表した、朔太郎ならではの詩。
座右の銘にするなら・面接での答え方
目に見えない根の部分を大切にしたい人に響く詩です。面接では、目立つ成果の下に、見えない基礎の積み重ねがあると考えていると話し、地道な準備を大切にする姿勢を伝える時の話題として使えます。
まつくろけの猫が二疋、なやましいよるの家根のうへで、ぴんとたてた尻尾のさきから、糸のやうなみかづきがかすんでゐる。
出典:詩「猫」(詩集『月に吠える』)(1917年)
出典について青空文庫『月に吠える』の本文で確認。このあと「おわあ、こんばんは」と猫の鳴き声が続く。
意味と背景
真っ黒な猫が二匹、悩ましい夜の屋根の上にいて、ぴんと立てた尻尾の先に、糸のように細い三日月がかすんでいる、という詩の書き出し。夜の屋根と猫と月だけで、妖しく不安な気分を描き出している。続く猫の鳴き声の場面も有名。
座右の銘にするなら・面接での答え方
座右の銘には向きませんが、情景を鮮やかに描く言葉の例として紹介できます。面接で好きな詩を聞かれた時、わずかな言葉で夜の空気まで伝わる表現に心を動かされた、と話すと感性が伝わります。
人生の幸福人とは、自己の所有権に属する全財産を、自由に完全に利用し尽して、心残りなく死んで行く人を言うのである。
出典:随筆「所得人」(親友の詩人を論じた文章)
出典について青空文庫の本文で確認(原文は旧字・旧かな「利用し盡して、心殘りなく死んで行く人を言ふのである」。新字・現代かなに直した)。親友の詩人を論じた文章。
意味と背景
人生で本当に幸福な人とは、自分に与えられたもの(お金だけでなく、時間や才能も)をすべて自由に使い切り、思い残すことなく死んでいく人だ、という意味。朔太郎はこの親友の詩人を、自分の才能を百パーセント以上使い切って生きている人だとたたえた。
座右の銘にするなら・面接での答え方
与えられた力を出し切って生きたい人の座右の銘になります。面接では、自分の得意なことを眠らせずに使い切りたいと話し、学生時代に特技を生かしていくつもの活動に挑戦した経験と結ぶと、この言葉らしい答えになります。
ああ 人生はどこを向いても いちめんに麦のながれるやうで 遠く田舎のさびしさがつづいてゐる。
出典:詩集『定本青猫』所収の詩(1936年)
出典について青空文庫『定本青猫』の本文で確認(原文「麥」を「麦」に直した)。
意味と背景
ああ、人生はどこを向いても、一面に麦が風に流れているようで、遠い田舎のさびしさがずっと続いている、という詩の一節。都会の中にいても消えない、心の奥のさびしさを、広い麦畑の景色にたとえている。朔太郎らしい憂いに満ちた人生観。
座右の銘にするなら・面接での答え方
座右の銘というより、さびしさを抱えながら生きる気持ちに寄り添う一節です。面接で読書の話をする時、この詩を読んで自分のさびしさを言葉にしてもらえたと感じた経験を話すと、感受性の豊かさが伝わります。
郵便局といふものは、港や停車場と同じやうに、人生の遠い旅情を思はすところの、魂の永遠ののすたるぢやだ。
出典:散文詩集『宿命』の「郵便局」(1939年)
出典について青空文庫『宿命』の本文で確認。
意味と背景
郵便局は、港や駅と同じように、遠いところへの旅心を思い起こさせる場所であり、魂がいつまでも抱く郷愁(ノスタルジア)だ、という散文詩の書き出し。手紙が遠くへ運ばれていく場所に、人生の旅と別れのさびしさを感じ取った、朔太郎らしい感性。
座右の銘にするなら・面接での答え方
日常の場所に特別な意味を見いだせる人に合う言葉です。面接では、郵便や物流、旅行の仕事を志す理由として、人の思いを遠くへ運ぶ場所に心惹かれると話し、この言葉を紹介すると印象に残ります。
とはいへ環境の闇を突破すべき、どんな力がそこにあるか。歯がみてこらへよ。こらへよ。こらへよ。
出典:散文詩集『宿命』(1939年)
出典について青空文庫『宿命』の本文で確認(原文「齒がみて」を「歯がみて」とした)。
意味と背景
とはいえ、自分を取り巻く暗い環境を突き破るだけの力が、どこにあるというのか。歯を食いしばってこらえよ、こらえよ、こらえよ、という一節。打開する力がない時は、ただ耐えることしかできない。その苦しさを三度の「こらへよ」で強く刻んでいる。
座右の銘にするなら・面接での答え方
どうにもならない時期を耐え抜いた人に響く言葉です。面接では、状況を変えられない苦しい時期に、歯を食いしばって続けたことが後の結果につながった経験を話すと、粘り強さが伝わる答えになります。
すべての橋は、一つの建築意匠しか持つてゐない。時間を空間の上に架け、或る夢幻的な一つの観念を、現実的に弁証することの熱意である。
出典:散文詩集『宿命』(1939年)
出典について青空文庫『宿命』の本文で確認(旧字を新字に直した)。
意味と背景
すべての橋は、たった一つの設計の考えしか持っていない。それは時間を空間の上に架け渡し、夢のような一つの考えを、現実の形にして証明しようとする熱意だ、という意味。向こう岸へ渡りたいという夢を形にした橋に、人間の情熱を見ている。
座右の銘にするなら・面接での答え方
夢を現実の形にしたい人の座右の銘になります。面接では、建築や土木、ものづくりの仕事を志す理由として、人の願いを形にする仕事に惹かれると話し、この言葉を紹介すると深みのある志望動機になります。
人が家の中に住んでるのは、地上の悲しい風景である。
出典:散文詩集『宿命』(1939年)
出典について青空文庫『宿命』の本文で確認。
意味と背景
人が家の中に住んでいるのは、地上の悲しい風景だ、という一行だけの散文詩。屋根の下に身を寄せ合って暮らす人間の姿に、守られている安心ではなく、外の世界から隠れて生きる哀れさを見ている。当たり前の景色を逆から見る、朔太郎の鋭い感性。
座右の銘にするなら・面接での答え方
座右の銘には向きませんが、当たり前を別の角度から見る発想の例として紹介できます。面接で発想力を問われた時、身近な風景を逆の視点から見直すことで新しいアイデアが生まれると話す際に使えます。
人物の説明の参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/萩原朔太郎
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