出典:国立国会図書館「近代日本人の肖像」(https://www.ndl.go.jp/portrait/)渋沢栄一の名言
渋沢栄一|1840〜1931年|日本|実業家
武蔵国血洗島(埼玉県深谷市)の農家に生まれ、一橋家の家臣として幕臣になり、パリ万博の使節団で欧州を見た。明治政府の大蔵省を辞めてからは第一国立銀行をはじめ約500の会社づくりに関わり「日本資本主義の父」と呼ばれる。道徳と利益は両立すると説いた『論語と算盤』で知られ、新しい一万円札の肖像になった。
のせている言葉:16こ(出典あり 16)更新:2026-10-20
この人の名言の一覧(16こ)
- 論語と算盤は、甚だ遠くして甚だ近いものである。
- 其の富を成す根源は何かと云へば、仁義道徳、正しい…
- 士魂にして商才が無ければならぬ。
- 私は蟹は甲羅に似せて穴を掘るといふ主義で、渋沢の…
- 凡そ人の禍は多くは得意時代に萠すもので、得意の時…
- 得意時代だからとて気を緩さず、失意の時だからとて…
- 何か一と仕事しやうとする者は、自分で箸を取らなけ…
- 凡そどんな些細な仕事でも、其れは大きな仕事の一小…
- 現在に於て正しいことを行つたならば、人として立派…
- 自分の長所とするところ、短所とするところを精細に…
- 怠惰は何所までも怠惰に終るものであつて、決して怠…
- 真に理財に長ずる人は、よく集むると同時によく散ず…
- 口は禍の門であると共に福の門でもある。
- 成功や失敗の如きは、唯丹精した人の身に残る糟粕の…
- 世の謂ゆる成功は必ずしも成功でなく、世の謂ゆる失…
- 最も重要なるは信である。
それぞれの名言に、出典(どの本・手紙・演説か)と、確かさのしるし(出典あり伝承・出典未確認実は言っていない)をつけています。外国語の言葉は運営者が原文から訳しました。
論語と算盤は、甚だ遠くして甚だ近いものである。
出典:『論語と算盤』「処世と信条」の章「論語と算盤は甚だ遠くして甚だ近いもの」(1916年)
出典について渋沢栄一記念財団「論語と算盤オンライン」の本文(底本=東亜堂書房1916年再版、元は1913年の演説)にある。旧かなは原文のまま。
意味と背景
道徳の本である論語と、商売の道具である算盤はかけ離れて見えるが、実はとても近い、という意味。商売は道徳があってこそ長く続き、道徳もお金を動かす力があってこそ世の中で生きる。渋沢の考えの中心をひとことで言った言葉。
座右の銘にするなら・面接での答え方
「正しさ」と「もうけ」は対立しないと考えています。面接では、アルバイト先で効率だけでなくお客様への誠実さを大事にしたら常連が増えた、という経験と合わせて話すと具体的になります。
其の富を成す根源は何かと云へば、仁義道徳、正しい道理の富でなければ、其の富は完全に永続することが出来ぬ。
出典:『論語と算盤』「論語と算盤は甚だ遠くして甚だ近いもの」(1916年)
出典について渋沢栄一記念財団「論語と算盤オンライン」の本文にある。旧かなは原文のまま。
意味と背景
富を生む元は思いやりや正しさで、道理にかなったやり方で得た富でなければ長続きしない、という意味。もうけること自体は大いに勧めつつ、ずるいやり方で得たお金はいずれ崩れると言い切っている。
座右の銘にするなら・面接での答え方
短期的に得をしても信用を失えば続かない、と部活の会計係で学びました。面接では「長く続く成果は正しいやり方からしか生まれない」と、自分の仕事観を説明する言葉として使えます。
士魂にして商才が無ければならぬ。
出典:『論語と算盤』「士魂商才」(1916年)
出典について渋沢栄一記念財団「論語と算盤オンライン」の本文にある。菅原道真の「和魂漢才」になぞらえて渋沢が唱えた「士魂商才」の説明の一文。
意味と背景
武士のような誇りと心構えは大切だが、それだけで商売の才覚がなければ経済的に立ち行かなくなる。だから武士の心と商人の才を両方持て、という意味。ただし道徳から離れた口先だけの才は本当の商才ではないとも書いている。
座右の銘にするなら・面接での答え方
「士魂商才」の四字は座右の銘として使いやすい言葉です。面接では「誠実さを土台にしながら、結果を出す工夫も怠らない」という意味で、自分が両方を意識した経験を一つ添えると良いです。
私は蟹は甲羅に似せて穴を掘るといふ主義で、渋沢の分を守るといふことを心掛けて居る。
出典:『論語と算盤』「蟹穴主義が肝要」(1916年)
出典について渋沢栄一記念財団「論語と算盤オンライン」の本文にある。大蔵大臣や日銀総裁への就任を頼まれて断った話の中の言葉。
意味と背景
蟹は自分の甲羅の大きさに合わせて穴を掘るように、自分の力と立場を知って分をわきまえる、という考え。大蔵大臣を頼まれても、実業界に入ると決めた以上その穴から出ないと断った。ただし進む気持ちを捨てるなとも続けている。
座右の銘にするなら・面接での答え方
自分の得意な分野を見極めて、そこで深く掘ることを大切にしています。面接では、何でも手を広げず一つの役割をやり切った経験と合わせ、「自分の甲羅に合った穴を深く掘る」と話すと印象に残ります。
凡そ人の禍は多くは得意時代に萠すもので、得意の時は誰しも調子に乗るといふ傾向がある。
出典:『論語と算盤』「得意時代と失意時代」(1916年、元は『青淵百話』)
出典について渋沢栄一記念財団「論語と算盤オンライン」の本文にある。
意味と背景
人のわざわいの多くは、うまくいっている時に芽を出す。調子が良い時は誰でも気が緩み、そのすきに失敗が入りこむ、という意味。成功の真っ最中こそ足元を見よという戒めで、次の文で失意の時に落ち込むなとも続けている。
座右の銘にするなら・面接での答え方
模試で良い判定が出た翌月に油断して点を落とした経験から、調子が良い時ほど基本を見直すようにしています。面接では、成功した後にどう気を引き締めたかを話す時に使える言葉です。
得意時代だからとて気を緩さず、失意の時だからとて落胆せず、常操を以て道理を蹈み通すやうに心掛けて出ることが肝要である。
出典:『論語と算盤』「得意時代と失意時代」(1916年)
出典について渋沢栄一記念財団「論語と算盤オンライン」の本文にある。
意味と背景
うまくいっている時に気を緩めず、うまくいかない時に落ち込まず、いつも同じ心構えで正しい道を歩き通すことが大切だ、という意味。「常操」は変わらない節操のこと。調子の波に心を振り回されない生き方を説いている。
座右の銘にするなら・面接での答え方
試合で勝っても負けても、翌日の練習メニューを変えないことを自分のルールにしていました。面接では「結果に一喜一憂せず、やるべきことを続けられる」という強みを示す言葉として使えます。
何か一と仕事しやうとする者は、自分で箸を取らなければ駄目である。
出典:『論語と算盤』「自ら箸を取れ」(1916年、元は『竜門雑誌』1912年)
出典について渋沢栄一記念財団「論語と算盤オンライン」の本文にある。
意味と背景
世の中はごちそうの膳を並べて待っているが、食べさせてくれるほど暇ではない。豊臣秀吉も信長に養われたのではなく自分で箸を取って食べた、だから何かを成し遂げたい人は自分から手を伸ばせ、という意味。
座右の銘にするなら・面接での答え方
「誰も教えてくれない」と嘆くのをやめ、自分から先輩に質問しに行くようにしたら仕事を任されるようになりました。面接では、指示を待たず自分から動いた経験を話す時にぴったりの言葉です。
凡そどんな些細な仕事でも、其れは大きな仕事の一小部分で、是が満足に出来なければ、遂に結末がつかぬ事になる。
出典:『論語と算盤』「自ら箸を取れ」(1916年)
出典について渋沢栄一記念財団「論語と算盤オンライン」の本文にある。
意味と背景
どんな小さな仕事も大きな仕事の一部で、それができなければ全体が終わらない、という意味。時計の小さな歯車が止まれば大きな針も止まり、銀行も一厘の計算違いで帳尻が合わなくなると例を挙げ、雑用を軽んじる若者を戒めた。
座右の銘にするなら・面接での答え方
アルバイトで任された在庫数えを丁寧にやっていたら、発注の仕事も任されるようになりました。面接では「小さな仕事を軽く見ない」姿勢を、具体的な作業名を挙げて話すと伝わりやすいです。
現在に於て正しいことを行つたならば、人として立派なものであると信じて居るのである。
出典:『論語と算盤』「現在に働け」(1916年)
出典について渋沢栄一記念財団「論語と算盤オンライン」の本文にある。直前に「私は極楽も地獄も心に掛けない」とある。
意味と背景
死後の極楽や地獄は気にしない、ただ今この時に正しいことをすれば人として立派だと信じている、という意味。農家に生まれ漢学から信念を得た渋沢が、未来の報いではなく今の行いを大切にしたことが分かる。
座右の銘にするなら・面接での答え方
先のことを心配しすぎて動けなくなった時に、今日できる正しいことをしようと思えた言葉です。面接では「将来のためにも、今目の前のことを誠実にやる」という考え方の芯として話せます。
自分の長所とするところ、短所とするところを精細に比較考察し、其の最も長ずる所に向うて志を定めるが可い。
出典:『論語と算盤』「大立志と小立志との調和」(1916年、元は『青淵百話』「立志の工夫」)
出典について渋沢栄一記念財団「論語と算盤オンライン」の本文にある。
意味と背景
志を立てる時は、まず頭を冷やして自分の長所と短所をよく比べ、一番得意な方向に志を定めよ、という意味。世間の流行に乗って浮ついた志を立てる人を戒め、一生を通す大きな志と、日々の小さな志を調和させよと説いている。
座右の銘にするなら・面接での答え方
進路を決める時、人気の学部ではなく自分の得意を書き出して選びました。面接で志望理由を聞かれたら「流行ではなく自分の長所から志を決めた」と、この言葉を添えて話すと筋が通ります。
怠惰は何所までも怠惰に終るものであつて、決して怠惰から好結果が生れることは断じてない。
出典:『論語と算盤』「人生は努力にあり」(1916年、元は1913年『竜門雑誌』)
出典について渋沢栄一記念財団「論語と算盤オンライン」の本文にある。74歳の時の談話。
意味と背景
怠けた結果はどこまでも怠けで終わり、怠けから良い結果が生まれることは絶対にない、という意味。座っていれば楽だが長く座ると膝が痛み、寝転べば腰が痛むと身近な例えを出し、だからこそ努力する習慣を作れと説く。
座右の銘にするなら・面接での答え方
74歳でも毎朝7時前に起きて来客に会っていた渋沢の言葉だと知って、自分の甘えに気づきました。面接では、勉強や運動の習慣を何年続けているかという数字と合わせて話すと説得力が出ます。
真に理財に長ずる人は、よく集むると同時によく散ずるやうでなくてはならぬ。
出典:『論語と算盤』「能く集め能く散ぜよ」(1916年)
出典について渋沢栄一記念財団「論語と算盤オンライン」の本文にある。
意味と背景
お金の扱いが本当にうまい人は、ためるだけでなく正しく使うことも上手でなければならない、という意味。むだ使いも、ため込むだけのけちも戒め、お金を生かすか殺すかは持ち主の人格しだいだと説いている。
座右の銘にするなら・面接での答え方
貯金は大切ですが、資格の勉強や本など自分を伸ばすことにはしっかり使うようにしています。面接ではお金の使い方の価値観を聞かれた時に、ためることと使うことの両方を大事にしていると話せます。
口は禍の門であると共に福の門でもある。
出典:『論語と算盤』「口は禍福の門なり」(1916年、元は『青淵百話』)
出典について渋沢栄一記念財団「論語と算盤オンライン」の本文にある。
意味と背景
「口は災いのもと」と言うが、口は幸いを招く入口でもある、という意味。話し好きの渋沢は、口を開いたおかげで人を救ったり仕事を得たりしたと言う。ただし災いが起こりそうな所では言葉を慎めと、両面を説いている。
座右の銘にするなら・面接での答え方
発言をためらって後悔した経験から、必要な時は言葉にするようにしています。面接では「黙っていても伝わらない。言葉を慎みつつも、言うべきことは言う」という姿勢を語る言葉として使えます。
成功や失敗の如きは、唯丹精した人の身に残る糟粕のやうなものである。
出典:『論語と算盤』「成敗は身に残る糟粕」(1916年、元は『青淵百話』「成敗を意とする勿れ」)
出典について渋沢栄一記念財団「論語と算盤オンライン」の本文にある。『論語と算盤』の最後の章。
意味と背景
成功や失敗は、心をこめて努力した人の後に残るかすのようなもので、それ自体を目標にするものではない、という意味。人は人としての務めを果たすことを基準にすべきで、結果に一喜一憂するより誠実に努力せよと説く。
座右の銘にするなら・面接での答え方
大会で負けた時、結果より積み重ねた練習のほうが自分に残っていると思えた言葉です。面接で失敗談を聞かれたら、結果ではなく過程で得たものを話す前置きとして使うと前向きに伝わります。
世の謂ゆる成功は必ずしも成功でなく、世の謂ゆる失敗は必ずしも失敗でない。
出典:『論語と算盤』「失敗らしき成功」(1916年、元は1915年『竜門雑誌』)
出典について渋沢栄一記念財団「論語と算盤オンライン」の本文にある。
意味と背景
生前は不遇だった孔子や菅原道真、楠木正成が今も敬われ、当時の成功者が忘れられているように、世間の言う成功・失敗は本物とは限らない、という意味。ただし出資者のいる事業は必ず成功させよとも区別している。
座右の銘にするなら・面接での答え方
選考に落ちた経験がその後の進路を見つけるきっかけになりました。面接では「一時の結果で成功・失敗を決めない」という考え方の例として、遠回りが役に立った話と一緒に使えます。
最も重要なるは信である。
出典:『論語と算盤』「道理ある希望を持て」(1916年、元は1915年『竜門雑誌』)
出典について渋沢栄一記念財団「論語と算盤オンライン」の本文にある。商業の徳義について述べた中の一文で、「此の信の一字を守ることが出来なかつたならば、我々実業界の基礎は鞏固といふことは出来ない」と続く。
意味と背景
商売の道徳でいちばん大切なのは信用、つまり約束を守り信じてもらえることだ、という意味。第一次世界大戦中、先の読めない時代の実業家に向けて、どんなに状況が変わってもこの一字だけは守れと説いた。
座右の銘にするなら・面接での答え方
時間と約束を守ることだけは、どんなに忙しくても崩さないと決めています。面接では「信の一字」として紹介し、遅刻ゼロや締め切りを守った具体的な実績を添えると説得力が増します。
人物の説明の参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/渋沢栄一
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