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肖像画:ジャック=ルイ・ダヴィッド『ソクラテスの死(部分)』(パブリックドメイン)(ファイルのページ ) ソクラテスの名言 ソクラテス|前470頃〜前399年|古代ギリシャ(アテネ)|哲学者
古代ギリシャ・アテネの哲学者。町の人々に問いかけて対話を重ね、自分が本当は知らないことに気づかせる問答で知られる。本を一冊も書かず、その言葉は弟子のプラトンやクセノフォンの著作を通じて伝わっている。若者を堕落させたなどの罪で訴えられ、死刑判決を受けても逃げずに毒杯を飲んで亡くなった。西洋哲学の出発点とされる人物。
のせている言葉:19こ(出典あり 11・伝承・出典未確認 3・実は言っていない 5)更新:2026-10-20
この人の名言の一覧(19こ) 吟味されない人生は、人間にとって生きるに値しない… わたしは知らないことを、知っているとも思っていな… 金をできるだけ多く手に入れることや評判や名誉には… 死を逃れることは難しくない。はるかに難しいのは悪… 善い人には、生きている間も死んだ後も、悪いことは… もう去る時が来た。わたしは死ぬために、あなたたち… 最も大切にすべきなのは、ただ生きることではなく、… 決して不正をしてはならない。不正をされても、仕返… 不正をするか、不正をされるか、どちらかしかないな… 驚くことこそ、哲学する者のあり方だ。哲学の始まり… クリトン、アスクレピオスに鶏を一羽借りている。返… ほかの人々は食べるために生きているが、わたしは生… 善はただ一つ、知識であり、悪はただ一つ、無知であ… わたしが知っているのは、自分が何も知らないという… 悪法もまた法なり。 汝自身を知れ。 ぜひ結婚しなさい。良い妻を持てば幸せになれる。悪… 今の若者はぜいたくを好み、行儀が悪く、権威をばか… 教育とは、器を満たすことではなく、火をともすこと…
それぞれの名言に、出典 (どの本・手紙・演説か)と、確かさのしるし(出典あり 伝承・出典未確認 実は言っていない )をつけています。外国語の言葉は運営者が原文から訳しました。
吟味ぎんみ されない人生は、人間にとって生きるに値しない。原文(原文) ὁ δὲ ἀνεξέταστος βίος οὐ βιωτὸς ἀνθρώπῳ
出典:プラトン『ソクラテスの弁明』38a(前399(裁判)年)
出典について プラトンが書いた『ソクラテスの弁明』38aに、裁判でのソクラテスの言葉として出てくる。ソクラテスは本を書かなかったので、すべてプラトンの記録を通した言葉である。
意味と背景 死刑判決の直前、ソクラテスは「黙って静かに暮らせば許すと言われても、問いかけるのをやめることはできない」と語り、この言葉を続けた。自分の生き方を問い直さずに毎日を過ごすなら、それは人間らしい人生とは言えない、という強い信念が込められている。
座右の銘にするなら・面接での答え方 「毎年誕生日に、この一年で何を学び、何をやめるべきかを書き出しています」と、自分の生き方を振り返る習慣と結びつけると、大きな言葉を日々の行動として語れる。哲学や教育系の面接にも向く。
わたしは知らないことを、知っているとも思っていない。 原文(原文) ἃ μὴ οἶδα οὐδὲ οἴομαι εἰδέναι
出典:プラトン『ソクラテスの弁明』21d(前399(裁判)年)
出典について 『ソクラテスの弁明』21dにある。いわゆる「無知の知」の元になった箇所。
意味と背景 「ソクラテスより賢い者はいない」という神託の意味を確かめるため、賢いと評判の人に会いに行った時の言葉。相手も自分も本当は何も知らないが、相手は知っていると思い込み、自分は思い込んでいない。その小さな差だけ自分のほうが賢い、と結論した。
座右の銘にするなら・面接での答え方 「知らないことを知ったふりしないのが自分のルールです。新しい部署では最初の一週間、分からない用語を全部メモして聞いて回りました」と話すと、素直に学べる人だと伝わる。
金をできるだけ多く手に入れることや評判や名誉めいよ には気を配りながら、知恵ちえ や真実や、魂たましい ができるだけ良くなることには気を配らず心も向けない。それを恥は ずかしいと思わないのか。 原文(原文) …καὶ δόξης καὶ τιμῆς, φρονήσεως δὲ καὶ ἀληθείας καὶ τῆς ψυχῆς ὅπως ὡς βελτίστη ἔσται οὐκ ἐπιμελῇ οὐδὲ φροντίζεις;
出典:プラトン『ソクラテスの弁明』29d–e(前399(裁判)年)
出典について 『ソクラテスの弁明』29d–eで、ソクラテスがアテネの市民に向けて語る言葉。原文は29eの部分(金銭についての前半は29dにある)。
意味と背景 「魂の世話」はソクラテスの一番大事な教え。お金や名声を求めること自体より、それに夢中で自分の心を良くすることを忘れていないか、と問いかけている。続けて「徳からお金や他のよいものが生まれるのであって、その逆ではない」とも語っている。
座右の銘にするなら・面接での答え方 「収入や肩書きより、仕事を通じて自分がどんな人間になれるかを大事にしたいと考えています」と志望動機につなげる時に使える。ただしお金を軽んじる印象にならないよう、両立の話にするとよい。
死を逃のが れることは難しくない。はるかに難しいのは悪を逃のが れることだ。 原文(原文) ἀλλὰ μὴ οὐ τοῦτ᾽ ᾖ χαλεπόν, ὦ ἄνδρες, θάνατον ἐκφυγεῖν, ἀλλὰ πολὺ χαλεπώτερον πονηρίαν
出典:プラトン『ソクラテスの弁明』39a–b(前399(裁判)年)
出典について 『ソクラテスの弁明』39a–bで、死刑判決を受けた後のソクラテスの言葉。
意味と背景 命乞いをすれば助かったかもしれないのに、ソクラテスはそうしなかった。死から逃げるのは簡単でも、悪は死より足が速く、逃げ切るのはずっと難しい、と語った。自分の身を守るために正しさを曲げることこそ本当の敗北だ、という考えである。
座右の銘にするなら・面接での答え方 「不正な数字の水増しを頼まれた時に断ったことがあります。その場は気まずくても、後で信用されるようになりました」と、損をしても正しさを選んだ経験と結びつけると、言葉の重みが伝わる。
善い人には、生きている間も死んだ後も、悪いことは何ひとつ起こらない。 原文(原文) οὐκ ἔστιν ἀνδρὶ ἀγαθῷ κακὸν οὐδὲν οὔτε ζῶντι οὔτε τελευτήσαντι
出典:プラトン『ソクラテスの弁明』41c–d(前399(裁判)年)
出典について 『ソクラテスの弁明』41dにある。死刑判決の後、無罪に投票した人々に語りかけた言葉。
意味と背景 死刑を言い渡されたソクラテスが、悲しむ人々に向けて語った言葉。財産や命を奪われることはあっても、善い人の魂そのものを傷つけることは誰にもできない。だから死を恐れる必要はない、という静かで強い確信が表れている。
座右の銘にするなら・面接での答え方 仕事の面接より、つらい時期を乗り越えた話をする場面に合う。「結果がどうでも、正しくやったなら自分は損なわれないと思えるようになって、挑戦が怖くなくなりました」と語ると前向きに伝わる。
もう去る時が来た。わたしは死ぬために、あなたたちは生きるために。 原文(原文) ἀλλὰ γὰρ ἤδη ὥρα ἀπιέναι, ἐμοὶ μὲν ἀποθανουμένῳ, ὑμῖν δὲ βιωσομένοις
出典:プラトン『ソクラテスの弁明』42a(結びの言葉)(前399(裁判)年)
出典について 『ソクラテスの弁明』の最後、42aにある。
意味と背景 『弁明』の最後の言葉で、このあと「どちらがより善いことに向かっているかは、神のほかには誰にも分からない」と続く。死を前にしても取り乱さず、生きる人と死ぬ人のどちらが幸せかは分からないと言い切る、ソクラテスらしい静かな結びである。
座右の銘にするなら・面接での答え方 座右の銘には重すぎるので、卒業や別れのスピーチで「ソクラテスは最後に、どちらが良い道かは誰にも分からないと言いました。だからこそ、それぞれの道を胸を張って進みましょう」と使うとよい。
最も大切にすべきなのは、ただ生きることではなく、善く生きることだ。 原文(原文) οὐ τὸ ζῆν περὶ πλείστου ποιητέον ἀλλὰ τὸ εὖ ζῆν
出典:プラトン『クリトン』48b(前399(獄中)年)
出典について プラトン『クリトン』48bで、脱獄を勧める友人クリトンにソクラテスが確かめる言葉。
意味と背景 死刑の日が迫る牢獄で、友人のクリトンが脱獄の準備を整えて逃げるよう勧めた。ソクラテスは「ただ生きるより、善く生きることが大切だという考えは今も変わらないか」と問い返し、逃げることが正しいかどうかを話し合った。
座右の銘にするなら・面接での答え方 「長く働くことより、毎日胸を張れる働き方をしたいと考えています」と、仕事の価値観を語る時に使える。ソクラテスが命をかけて守った言葉だと添えると、ありふれた「よく生きる」に重みが出る。
決して不正をしてはならない。不正をされても、仕返しに不正をしてはならない。 原文(原文) οὐδαμῶς ἄρα δεῖ ἀδικεῖν. … οὐδὲ ἀδικούμενον ἄρα ἀνταδικεῖν
出典:プラトン『クリトン』49b(前399(獄中)年)
出典について プラトン『クリトン』49bにある(間は中略)。
意味と背景 「やられたらやり返す」が当たり前だった時代に、ソクラテスは不正の仕返しも不正であり、決してしてはならないと説いた。自分が不当な判決を受けた身でありながら、それでも仕返しのために法を破らないという覚悟がこの言葉の背景にある。
座右の銘にするなら・面接での答え方 「理不尽なことをされても、同じやり方でやり返さないと決めています。冷静に事実を伝えて解決するほうが、結果的にうまくいきました」と、感情的にならずに問題を解いた経験と合わせて話すとよい。
不正をするか、不正をされるか、どちらかしかないなら、わたしは不正をするよりされるほうを選ぶ。 原文(原文) εἰ δ᾽ ἀναγκαῖον εἴη ἀδικεῖν ἢ ἀδικεῖσθαι, ἑλοίμην ἂν μᾶλλον ἀδικεῖσθαι ἢ ἀδικεῖν.
出典:プラトン『ゴルギアス』469c
出典について プラトン『ゴルギアス』469cで、ソクラテスが若い政治家ポロスに答える言葉。
意味と背景 権力を持って好きなようにふるまう独裁者をうらやむポロスに対し、ソクラテスは、不正をする人こそ最も不幸だと言った。損をする側より、魂を汚す側のほうが不幸だという、常識をひっくり返す考え方である。
座右の銘にするなら・面接での答え方 「ずるをして勝つより、正直にやって負けるほうを選びます。部活の大会で審判の見落としを自分から申し出たことがあります」と、具体的な場面を添えると、誠実さを強く印象づけられる。
驚おどろ くことこそ、哲学てつがく する者のあり方だ。哲学てつがく の始まりはこれ以外にない。原文(原文) μάλα γὰρ φιλοσόφου τοῦτο τὸ πάθος, τὸ θαυμάζειν: οὐ γὰρ ἄλλη ἀρχὴ φιλοσοφίας ἢ αὕτη
出典:プラトン『テアイテトス』155d
出典について プラトン『テアイテトス』155dで、ソクラテスが若い数学者テアイテトスに語る言葉。
意味と背景 当たり前だと思っていたことに「なぜだろう」と驚く心が、考えることの出発点になる、という言葉。目が回るほど不思議がる若いテアイテトスを、ソクラテスはそれこそが哲学者の素質だとほめた。好奇心を大切にしたくなる言葉である。
座右の銘にするなら・面接での答え方 「研究の道を選んだのは、子どもの頃に雲の形がなぜ変わるのか不思議で仕方なかったからです。その驚きを今も大事にしています」と、自分の好奇心の原点を語ると、学ぶ意欲が伝わる。
クリトン、アスクレピオスに鶏にわとり を一羽借りている。返しておいてくれ。忘れないように。 原文(原文) Ὦ Κρίτων, ἔφη, τῷ Ἀσκληπιῷ ὀφείλομεν ἀλεκτρυόνα. ἀλλὰ ἀπόδοτε καὶ μὴ ἀμελήσητε.
出典:プラトン『パイドン』118a(最期の言葉)(前399年)
出典について プラトン『パイドン』118aに、毒杯を飲んだ後のソクラテスの最期の言葉として記される。ただしプラトン自身はその場にいなかったと書いている。
意味と背景 ソクラテスの最後の言葉。アスクレピオスは医術の神で、病気が治ると鶏を供える習わしがあった。死を「人生という病からの回復」とみたのだとする解釈が有名だが、本当の意味は分かっていない。最期まで約束を気にかけた人柄がしのばれる。
座右の銘にするなら・面接での答え方 座右の銘には向かないが、「小さな約束ほど守る」ことを語る時の話のたねになる。「ソクラテスは死の直前にも借りを返すよう頼みました。私も小さな約束をメモして必ず守るようにしています」と使える。
ほかの人々ひとびと は食べるために生きているが、わたしは生きるために食べる。 原文(原文) ἔλεγέ τε τοὺς μὲν ἄλλους ἀνθρώπους ζῆν ἵν᾽ ἐσθίοιεν: αὐτὸς δὲ ἐσθίειν ἵνα ζῴη.
出典:ディオゲネス・ラエルティオス『ギリシア哲学者列伝』第2巻24節(ソクラテス伝)(3世紀ごろの書年)
出典について ソクラテスの死から約600年後に書かれた『ギリシア哲学者列伝』に「彼はこう言っていた」として出てくる。プラトンやクセノフォンの著作にはこの形では無く、本人の言葉と確かめることはできない。
意味と背景 食べることや楽しみのために生きるのではなく、よく生きるために必要なだけ食べる、という意味。ソクラテスは質素な暮らしで知られていた。食事に限らず、手段と目的を取り違えるなという戒めとしても読める。
座右の銘にするなら・面接での答え方 健康管理の話で「食事は生きるための燃料と考え、外食続きをやめて自炊を始めました」と使える。ソクラテスの言葉として伝わる話で、出典は後の時代の伝記だと添えると誠実である。
善はただ一つ、知識であり、悪はただ一つ、無知である。 原文(原文) ἓν μόνον ἀγαθὸν εἶναι, τὴν ἐπιστήμην, καὶ ἓν μόνον κακόν, τὴν ἀμαθίαν
出典:ディオゲネス・ラエルティオス『ギリシア哲学者列伝』第2巻31節(3世紀ごろの書年)
出典について 『ギリシア哲学者列伝』にソクラテスの言葉として紹介されるが、ソクラテスより数百年後の書物で、プラトンの対話篇にこの形の文は無い。「徳は知である」というソクラテスの考えをまとめた言葉とみられる。
意味と背景 人が悪いことをするのは、何が本当に善いかを知らないからだ、というソクラテスの考え(知徳合一)をひと言にした言葉。だから学ぶことは、よい人になることと同じだとされた。勉強の意味を考える時に新しい見方をくれる。
座右の銘にするなら・面接での答え方 「学ぶことは、人を傷つけない判断ができるようになることだと考えています」と勉強の意義を語る場面で使える。ソクラテスの考えを後世の伝記がまとめた言葉だ、と出典の事情も添えるとよい。
わたしが知っているのは、自分が何も知らないということだけだ。 原文(原文) εἰδέναι μὲν μηδὲν πλὴν αὐτὸ τοῦτο [εἰδέναι]
出典:この形はディオゲネス・ラエルティオス『ギリシア哲学者列伝』第2巻32節、キケロ『アカデミカ』など後世の要約。プラトンの原文では『弁明』21d
出典について 「無知の知」として有名だが、プラトンの対話篇にこのままの文は無い(英語版Wikiquoteも「直接の引用ではない」とする)。後世の伝記や要約で広まった形。本来の言葉は『弁明』21dの「知らないことを知っているとも思っていない」で、日本語版Wikipediaも「無知の知」は誤解で「不知の自覚」と訳されると書いている。
意味と背景 自分の無知を自覚することが知恵の始まりだ、というソクラテスの考えを短くした言葉。ただし本人は「何も知らないと知っている」と言い切ったのではなく、「知らないことを知っているとは思わない」と控えめに言っただけである。違いを知っておくと深く使える。
座右の銘にするなら・面接での答え方 使うなら「正確には『知らないことを知っているとは思わない』という言葉です」と本来の形を添えると、出典まで確かめる人という印象になる。分からないことを素直に聞ける自分の姿勢と結びつけるとよい。
悪法もまた法なり。 原文(ラテン語) Dura lex, sed lex.
出典:プラトンの著作には無い。ラテン語の法格言の訳がソクラテスの話と結びついて広まったとされる
本当の出どころ ソクラテスが死刑判決に従って毒杯を飲んだことから「悪法もまた法なり」と言ったとされるが、プラトンの著作にこの言葉は無く、ソクラテス裁判を研究した加来彰俊も、言った証拠はどこにもないと指摘している。ラテン語の格言「Dura lex, sed lex(法は厳しいが、それでも法である)」の訳が、ソクラテスの話の例として結びつけられたと言われる。
意味と背景 ソクラテスが脱獄を断った理由は『クリトン』に書かれていて、「悪法でも従え」という話ではなく、「自分が正しいと考えてきたことに背いて不正をしない」という話である。この誤伝は、権力に都合のよい理屈として広まったと見る人もいる。
この言葉の使い方 座右の銘として使うのは避けたい。ソクラテスの名前を出すなら、本当の言葉「ただ生きるのではなく、善く生きることが大切だ」を選び、「悪法もまた法なりは実は彼の言葉ではない」と添えれば、教養のある答えになる。
汝なんじ 自身を知れ。原文(原文) Γνῶθι σεαυτόν
出典:デルポイのアポロン神殿に刻まれていた格言。ソクラテス以前からある
本当の出どころ ソクラテスの言葉として紹介されることが多いが、もとはデルポイのアポロン神殿に刻まれていた格言で、ソクラテスより前からあった。古代ギリシャの七賢人(ソロンやタレスなど)の言葉とする伝えもある。ソクラテスは対話の中でこの格言をよく引いた(英語版Wikiquote・日本語版Wikipedia)。
意味と背景 もともとは「人間は神ではないのだから、身の程をわきまえよ」という戒めだった。ソクラテスはこれを「自分の無知を知れ」という意味に深め、哲学の出発点にした。ソクラテスが作った言葉ではないが、ソクラテスが生き方で示した言葉とは言える。
この言葉の使い方 使うなら「デルポイの神殿の言葉で、ソクラテスが大事にした言葉です」と言えば正確。自己分析の話と結びつけ、「自分の弱みを人に聞いて書き出した」などの行動を添えると、借り物でない答えになる。
ぜひ結婚けっこん しなさい。良い妻を持てば幸せになれる。悪い妻を持てば哲学てつがく 者になれる。 原文(英語) By all means, marry. If you get a good wife, you'll become happy; if you get a bad one, you'll become a philosopher.
出典:古代の文献には無い。出どころ不明で、20世紀の英語の本で広まった
本当の出どころ 英語版Wikiquoteによると、古代の出典は見つからず出どころは不明。1955年の英語のスピーチ集ではイギリスの文筆家シドニー・スミスの言葉とされ、1935年・1949年の本にも別の形がある。ソクラテスの妻クサンティッペが悪妻として有名だったことから、ソクラテスの言葉にされたとみられる。
意味と背景 妻クサンティッペが「悪妻」として語り継がれたため、ソクラテスにぴったりの冗談として広まった言葉。ただし古代の記録には無く、20世紀の英語の本が出どころである。クサンティッペの悪妻像も、後の時代に話がふくらんだ面があるとされる。
この言葉の使い方 結婚式のスピーチで笑いを取る定番だが、ソクラテスの言葉ではない。使うなら「ソクラテスの言葉として有名ですが実は出どころ不明の冗談で」と前置きすると、笑いと教養の両方が取れる。
今の若者はぜいたくを好み、行儀ぎょうぎ が悪く、権威けんい をばかにし、年長者を敬わない。 原文(英語) The children now love luxury; they have bad manners, contempt for authority; they show disrespect for elders…
出典:古代の文献には無い。1907年の英国の本『Schools of Hellas』の要約文が元
本当の出どころ 「今どきの若者は」と嘆く言葉の代表としてソクラテス作とされるが、英語版Wikiquoteによると、ケネス・ジョン・フリーマンが1907年の著書『Schools of Hellas』で古代の若者への不満を自分の言葉で要約した文が、ソクラテスの言葉として広まったもの。古代の原文は無い。
意味と背景 「いつの時代も年長者は若者を嘆く」という話の証拠としてよく使われるが、実はこれ自体が20世紀に作られた文である。若者批判の言葉が、ソクラテスの権威を借りて広まった例として覚えておくとよい。
この言葉の使い方 座右の銘には向かない。スピーチで世代の話をする時に「ソクラテスの言葉として有名な『今の若者は』は、実は1907年の本の要約文です」と紹介すれば、思い込みを確かめる大切さを伝える話のたねになる。
教育とは、器を満たすことではなく、火をともすことである。 原文(英語) Education is the kindling of a flame, not the filling of a vessel.
出典:ソクラテスの出典は無い。1990年代に現れ、プルタルコスの文が元になったとみられる
本当の出どころ 英語版Wikiquoteによると、ソクラテスの出典は無く、この形は1990年代に初めて現れた。プルタルコス(1〜2世紀)の『聴くことについて』にある「心は満たすべき器ではなく、燃やすべき薪である」という趣旨の文が元とみられ、詩人イェイツの言葉とされることもある。
意味と背景 知識を詰め込むより、学ぶ意欲に火をつけるのが本当の教育だ、という考え。教育者の間でよく引かれるが、ソクラテスの言葉ではない。元になった考えはプルタルコスのもので、ソクラテスの問答法の精神とは通じるところがある。
この言葉の使い方 教育系の面接で使うなら「プルタルコスの考えが元になった言葉で」と正しく言うと安心。「生徒に答えを教えるより、問いを投げて考えたくなる授業をしたい」と、自分の授業の工夫につなげるとよい。
人物の説明の参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/ソクラテス
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