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樋口一葉の肖像写真
出典:国立国会図書館「近代日本人の肖像」(https://www.ndl.go.jp/portrait/)

樋口一葉の名言

樋口一葉|1872〜1896年|日本(東京)|小説家・歌人

東京の下級役人の家に生まれ、本名は奈津(なつ)。歌塾「萩の舎」で和歌や古典を学んだが、父と兄を亡くして17歳で一家の主となり、母と妹を養うために小説を書き始めた。下谷竜泉寺町で駄菓子屋を営んだ経験をもとに『たけくらべ』を書き、『にごりえ』『十三夜』などの名作を次々に発表した。わずか一年あまりで傑作を生み出したことから「奇跡の十四か月」と呼ばれるが、結核のため24歳で亡くなった。2004年から発行された五千円札の肖像にもなった。

のせている言葉:8こ(出典あり 8)更新:2026-10-20

この人の名言の一覧(8こ)
  1. 廻れば大門の見返り柳いと長けれど、お歯ぐろ溝に燈…
  2. 同じく不運に泣くほどならば、原田の妻で大泣きに泣…
  3. 才能は生まれつきのものだが、徳は養ってのちに身に…
  4. 落ちぶれた人を愚かだとあざけるのは恥ずかしいこと…
  5. ただ自分は心を平らにして、この浮き沈みの流れの外…
  6. 好き嫌いはもともと、人の欲の目から見るから生まれ…
  7. 思っている間はたいそう遠く思えることも、実際にや…
  8. 文章を売る者と人はいやしむけれど、これを金に換え…

それぞれの名言に、出典(どの本・手紙・演説か)と、確かさのしるし(出典あり伝承・出典未確認実は言っていない)をつけています。外国語の言葉は運営者が原文から訳しました。

1出典あり#言葉
廻まわれば大門おおもんの見返みかえり柳やなぎいと長たけれど、お歯はぐろ溝みぞに燈火ともしびうつる三階さんがいの騒さわぎも手てに取とる如ごとく……

出典:小説『たけくらべ』の書き出し(明治28〜29年=1895〜96年『文学界』連載)

出典について『たけくらべ』の最初の一文の冒頭(旧字「齒」「騷」を直した)。

意味と背景

吉原の遊郭の大門へ回っていく道の見返り柳は長く垂れ、遊郭を囲むお歯ぐろ溝に映る灯や三階の騒ぎも、手に取るように聞こえてくる、という書き出し。遊郭のそばの町で育つ子どもたちの、大人になる直前の淡い思いを描く名作の幕開けである。

座右の銘にするなら・面接での答え方

座右の銘には向かないが、読書や文学の話題で使える。「『たけくらべ』の書き出しのような、一文で町の空気まで伝わる文章が書けるようになりたい」と、文章を書く仕事の志望動機に添えるとよい。

2出典あり#家族#人生
同おなじく不運ふうんに泣なくほどならば、原田はらだの妻つまで大泣おおなきに泣なけ。

出典:小説『十三夜』(明治28年=1895年『文芸倶楽部』)

出典について『十三夜』の本文にある、主人公お関の父のせりふ(青空文庫の本文どおり)。小説中の人物の言葉。

意味と背景

冷たい夫に耐えかね、離縁を願いに実家へ帰ってきた娘お関に、父が言い聞かせる言葉。離縁すれば息子の太郎にも二度と会えない。同じ不運に泣くなら、原田の妻として泣け、涙は家族みんなで分けて泣こう、と続ける。明治の女性の生きづらさが胸に迫る場面である。

座右の銘にするなら・面接での答え方

座右の銘には向かない。明治の女性がおかれた立場を考える読書感想文や、家族のあり方を話し合う場面で引用するのに向いている。現代の価値観と比べて考える材料にもなる。

才能さいのうは生うまれつきのものだが、徳とくは養やしなってのちに身みにつくものである。

出典:随筆「さをのしづく」(紫式部と清少納言をくらべた一節)

出典について一葉の随筆「さをのしづく」の本文にある(青空文庫の本文どおり)。

意味と背景

紫式部と清少納言のどちらがすぐれているかという話の中で、一葉は、才能は生まれつき備わるが、人柄の徳は育てて初めて身につくものだと書いた。世間が式部ばかりほめるのに対し、苦労した清少納言の哀れに寄りそう一葉の目が印象的である。

座右の銘にするなら・面接での答え方

「才能では人にかなわなくても、人柄は自分で育てられると思っています」と語る時に使える。一葉が紫式部と清少納言をくらべて書いた言葉だと紹介すると、教養も伝わる。

落おちぶれた人ひとを愚おろかだとあざけるのは恥はずかしいことだ。流ながれる水みずにも淵ふちと瀬せがあるように、人ひとの世よに浮うき沈しずみがないことなどあろうか。

出典:随筆「さをのしづく」

出典について「さをのしづく」の本文にある(青空文庫の本文どおり)。

意味と背景

運に恵まれず落ちぶれた人を笑うのは恥ずかしいことだ。川の流れに深い淵と浅い瀬があるように、人生には困窮も栄達もある、と一葉は書く。若くして一家を背負い、貧しさを知った一葉だからこその、弱い立場の人へのまなざしである。

座右の銘にするなら・面接での答え方

「人の浮き沈みは誰にでもあるので、困っている人を見下さない人でありたい」と語る時に使える。福祉や支援の仕事の志望動機に、一葉の生い立ちと合わせて紹介すると説得力が出る。

5出典あり#心#生き方
ただ自分じぶんは心こころを平たいらにして、この浮うき沈しずみの流ながれの外そとに住すむのがよいのだろう。

出典:随筆「さをのしづく」

出典について「さをのしづく」の本文にある(青空文庫の本文どおり)。前の一節「行水にも淵瀬あり」に続く結び。

意味と背景

時を得て栄えておごっている人も、ことさら尊ぶ必要はない。自分は心を穏やかに保って、栄えたり落ちぶれたりする世の流れから一歩離れて生きたい、という一葉の願い。人と比べて一喜一憂しがちな心を静めてくれる言葉である。

座右の銘にするなら・面接での答え方

「周りの成功や失敗に振り回されず、心を平らに保って自分のペースで努力したい」と語る時に使える。競争の激しい環境で働く人の、心の支えになる言葉として紹介できる。

6出典あり#心#友情
好すき嫌きらいはもともと、人ひとの欲よくの目めから見みるから生うまれるものだ。清きよらかな風かぜが胸むねの中なかを吹ふけば、わずらいもないだろうに。

出典:随筆「さをのしづく」

出典について「さをのしづく」の本文にある(青空文庫の本文どおり)。直前に「待つ人の便りはまれで、嫌な人はしばしば来る」とある。

意味と背景

待っている人はなかなか来ないのに、嫌な人はよく来る。けれども、その人を待ち人だと思えば、嫌な気持ちはたちまち喜びに変わるだろう。好き嫌いは自分の欲の目が作るもので、心に清い風を通せば悩みはなくなる、と一葉は考えた。

座右の銘にするなら・面接での答え方

「苦手な人とも、見方を変えれば良いところが見えると考えています」と、人間関係の考え方を語る時に使える。一葉自身が日々の小さな悩みから見つけた知恵だと添えると親しみがわく。

思おもっている間あいだはたいそう遠とおく思おもえることも、実際じっさいにやってみれば、たいしたことはないものだ。

出典:随筆「さをのしづく」

出典について「さをのしづく」の本文にある(青空文庫の本文どおり)。続けて、大きな会社も一人の心から起こったものだ、と書いている。

意味と背景

頭の中で考えているだけだと遠く大きく見えることも、実際にたどり着いてみれば、それほどでもない。大きな事業も一人の心から始まったのだ、と一葉は続ける。考えすぎて動けない人の背中を押す、実感のこもった言葉である。

座右の銘にするなら・面接での答え方

「やる前は不安でも、やってみれば案外できるものだと思って、新しい仕事にも手を挙げるようにしています。初めての海外出張もそうでした」と、挑戦の姿勢を具体的な経験と一緒に語る時に使える。

文章ぶんしょうを売うる者ものと人ひとはいやしむけれど、これを金かねに換かえられるなら、わたしは親おやのため、妹いもうとのため、自分じぶんの衣い食しょくのため、少すこしもいとわない。

出典:随筆「さをのしづく」

出典について「さをのしづく」の本文にある(青空文庫の本文どおり)。直前に「今月をどう過ごそう、米もない」とある。

意味と背景

米もお金もなく、筆一本しか生きる手段がない一葉は、文章を売ってお金にすることを人がさげすんでも、家族を養うためなら少しも恥じない、と書いた。家族を背負って書き続けた一葉の覚悟と誇りがにじむ一節である。

座右の銘にするなら・面接での答え方

「家族を支えるために働くことに、誇りを持っています」と語る時に使える。生活のために選んだ仕事でも全力を尽くしてきた経験と組み合わせると、一葉の覚悟と重なる答えになる。

人物の説明の参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/樋口一葉

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