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森鴎外の肖像写真
出典:国立国会図書館「近代日本人の肖像」(https://www.ndl.go.jp/portrait/)

森鴎外の名言

森鴎外|1862〜1922年|日本(石見国津和野=島根県)|小説家・翻訳家・陸軍軍医

本名は森林太郎。津和野藩の医者の家に生まれ、東京大学医学部を出て陸軍軍医となり、ドイツに留学した。軍医として最高位の軍医総監まで上りつめる一方、『舞姫』『雁』『青年』などの小説や、『即興詩人』『ファウスト』の翻訳で近代文学を切り開いた。晩年は『阿部一族』『高瀬舟』など歴史小説や、『渋江抽斎』などの史伝を書いた。夏目漱石と並ぶ明治・大正の文豪である。

のせている言葉:9こ(出典あり 9)更新:2026-10-20

この人の名言の一覧(9こ)
  1. 余は石見人森林太郎として死せんと欲す。
  2. 死は一切を打ち切る重大事件なり。いかなる官憲威力…
  3. 人はどこまで行って踏み止まることができるものやら…
  4. 不思議なのは喜助の欲のないこと、足ることを知って…
  5. 日の要求を義務として、それを果たして行く。
  6. 足ることを知るということが、自分にはできない。自…
  7. 人の上座に据えられたって困りもしないが、下座に据…
  8. ああ、相沢謙吉のような良い友は世にまた得がたいだ…
  9. お上の事には間違いはございますまいから。

それぞれの名言に、出典(どの本・手紙・演説か)と、確かさのしるし(出典あり伝承・出典未確認実は言っていない)をつけています。外国語の言葉は運営者が原文から訳しました。

1出典あり#人生#生き方
余よは石見人いわみびと森林太郎もりりんたろうとして死しせんと欲ほっす。

出典:遺言(大正11年=1922年7月6日、親友・賀古鶴所が筆記)。青空文庫「遺言三種」所収

出典について死の三日前に口述し、親友の賀古鶴所が書きとめた遺言(原文はカタカナまじり文「余ハ石見人森林太郎トシテ死セント欲ス」。読みやすくひらがなに直した)。

意味と背景

陸軍軍医総監や帝室博物館総長などの地位を極めた鴎外が、最期には肩書きをすべて捨て、故郷・石見(島根県)の一人の人間「森林太郎」として死にたいと言い残した。墓には「森林太郎墓」以外の一字も彫るなとも命じている。

座右の銘にするなら・面接での答え方

「肩書きではなく、一人の人間として何をしたかで評価されたい」と語る時に使える。鴎外が地位をすべて捨てて本名だけを墓に刻ませた話を添えると、言葉に重みが出る。

2出典あり#人生#勇気
死しは一切いっさいを打うち切きる重大じゅうだい事件じけんなり。いかなる官憲かんけん威力いりょくといえども、これに反抗はんこうすることを得えずと信しんず。

出典:遺言(大正11年=1922年7月6日、賀古鶴所筆記)。青空文庫「遺言三種」所収

出典について同じ遺言の一節(原文「死ハ一切ヲ打チ切ル重大事件ナリ奈何ナル官憲威力ト雖此ニ反抗スル事ヲ得スト信ス」。ひらがなに直した)。

意味と背景

死はすべてを終わらせるもので、どんな国家の権力もそれには逆らえない、と言い切った。だからこそ死後の扱いは自分の意思で決めたい、と宮内省や陸軍からの栄典をすべて断った。国に仕えた人が、最後に個人として立とうとした強い言葉である。

座右の銘にするなら・面接での答え方

座右の銘には重いが、「最後に何を大切にするかは自分で決めたい」という人生観を語る時に紹介できる。終活や生き方を考える文章の引用にも向いている。

3出典あり#お金#幸せ#心
人ひとはどこまで行いって踏ふみ止とどまることができるものやら分わからない。

出典:小説『高瀬舟』(大正5年=1916年1月「中央公論」)

出典について『高瀬舟』の本文にある、同心・庄兵衛の思い(青空文庫の旧字の本文「人はどこまで往つて踏み止まることが出來るものやら分からない」を今の表記に直した)。小説中の人物の考えとして書かれている。

意味と背景

病があれば治りたいと思い、食べ物がなければ食べたいと思い、たくわえがあればもっと欲しいと思う。人の欲には終わりがない。それなのに、わずかな銭を喜んでいる罪人の喜助は、そこで踏み止まって見せている、と庄兵衛は気づく。足るを知ることを考えさせる場面である。

座右の銘にするなら・面接での答え方

「もっともっとと欲しがるより、今あるものに感謝して足元を固めたい」と語る時に使える。読書感想文や、お金の価値観を問われた時にも、高瀬舟の場面とともに話すと説得力が出る。

4出典あり#お金#幸せ
不思議ふしぎなのは喜助きすけの欲よくのないこと、足たることを知しっていることである。

出典:小説『高瀬舟』(1916年)

出典について『高瀬舟』の本文にある庄兵衛の思い(旧字・旧かなを今の表記に直した)。

意味と背景

島流しになる喜助が、お上からもらった二百文を「生まれて初めての貯え」と喜ぶ姿に、同心の庄兵衛は驚く。自分は給料をもらっても暮らしに消えていくのに不満ばかり。何も持たない喜助のほうが満ち足りている、という発見が胸を打つ。

座右の銘にするなら・面接での答え方

「少ない収入でも満足して暮らせる人が、実は一番豊かなのかもしれないと考えるようになりました」と、価値観の変化を語る時に使える。老子の「足るを知る者は富む」と並べると話が深まる。

日ひの要求ようきゅうを義務ぎむとして、それを果はたして行いく。

出典:小説『妄想』(明治44年=1911年)

出典について『妄想』の本文にある(旧かなを今の表記に直した)。直前に鴎外はゲーテの言葉「汝の義務を果さんと試みよ。やがて汝の価値を知らむ。汝の義務とは何ぞ。日の要求なり」を訳して引いており、その考えを受けた一文。

意味と背景

自分とは何かを頭で考え続けるより、その日その日に求められることを義務として果たしていけば、やがて自分の価値が分かる、というゲーテの考えを鴎外は理想とした。ただ鴎外自身は、そうなりきれない自分も正直に書いている。

座右の銘にするなら・面接での答え方

「目の前の仕事を一つずつ確実に果たすことで、自分の価値を見つけたい」と語る時に使える。自分探しに迷った経験がある人なら、その迷いから抜け出した経緯と一緒に話すとよい。

6出典あり#心#夢
足たることを知しるということが、自分じぶんにはできない。自分じぶんは永遠えいえんなる不平ふへい家かである。

出典:小説『妄想』(1911年)

出典について『妄想』の本文にある(旧かなを今の表記に直した)。

意味と背景

日の要求に満足するには足るを知らねばならないが、自分にはそれができない、いつまでも満たされない不平家だ、と鴎外は自分を見つめた。灰色の鳥を青い鳥と見ることができない、とも書く。満たされなさこそが創作の力になった人の正直な告白である。

座右の銘にするなら・面接での答え方

「満足しきれない性分ですが、それを向上心に変えてきました」と、自分の短所を長所に言いかえる時に使える。鴎外ほどの人もそうだったと添えると、聞き手の共感を得やすい。

人ひとの上座かみざに据すえられたって困こまりもしないが、下座しもざに据すえられたって困こまりもしません。

出典:談話「Resignation の説」(明治42年=1909年12月)

出典について雑誌の談話として鴎外が語った言葉(青空文庫の本文どおり)。直前に「私の考では私は私で、自分の気に入った事を自分の勝手にしているのです」とある。

意味と背景

文壇で人気の作家たちより下に見られても、自分はまったく平気だと鴎外は語り、その心持ちを「resignation(あきらめ・諦念)」と呼んだ。人の評価に振り回されず、自分のしたいことをするという、静かで強い自立の姿勢である。

座右の銘にするなら・面接での答え方

「順位や評価に一喜一憂せず、自分が納得できる仕事をすることを大事にしています」と語る時に使える。周りと比べて落ち込みがちな人にとって、心の支えになる言葉である。

8出典あり#友情#心#恋愛
ああ、相沢あいざわ謙吉けんきちのような良よい友ともは世よにまた得えがたいだろう。けれども、わたしの頭あたまの中なかには、彼かれを憎にくむ心こころが一点いってん、今日きょうまで残のこっているのだ。

出典:小説『舞姫』(明治23年=1890年「国民之友」)の結び

出典について『舞姫』の最後の一文(青空文庫の本文どおり。上の訳は自分で現代語にしたもの)。小説の語り手・太田豊太郎の言葉。

意味と背景

恩人であり親友でもある相沢に感謝しながら、恋人エリスとの別れを決定づけた彼を、どこかで憎む気持ちも消えない。人の心は感謝と恨みが同時に存在する複雑なものだという、近代文学らしい心の描き方が光る結びである。

座右の銘にするなら・面接での答え方

座右の銘には向かないが、人間関係の複雑さを語る話のたねになる。「感謝と不満が同時にあるのが人間だと知っておくと、人を責めすぎずにすみます」と、読書経験から学んだこととして話すとよい。

お上かみの事ことには間違まちがいはございますまいから。

出典:小説『最後の一句』(大正4年=1915年10月「中央公論」)

出典について『最後の一句』の本文にある、少女いちのせりふ(旧かなを今の表記に直した)。

意味と背景

死罪になる父の身代わりを願い出た16歳のいちが、奉行に「身代わりを許せばお前たちは殺されるが、よいか」と聞かれて答えた最後の一言。従順な言葉に見えて、役人の判断への鋭い皮肉が込められていて、奉行たちをはっとさせた。

座右の銘にするなら・面接での答え方

座右の銘には向かないが、「言葉は短くても、相手の心を動かすことができる」という話のたねになる。プレゼンや交渉で、短い一言の大切さを語る時に紹介できる。

人物の説明の参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/森鷗外

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