肖像画:狩野探幽『兼好法師像』(パブリックドメイン)(ファイルのページ)兼好法師の名言
兼好法師(吉田兼好)|1283ごろ〜1352ごろ年|日本(鎌倉時代末〜南北朝時代)|随筆家・歌人・僧
鎌倉時代末から南北朝時代の人。朝廷に仕えたのち30歳ごろ出家し、京都の郊外で暮らしながら歌人としても活躍した。人生、友人づきあい、学び、自然の美しさなどを自由に綴った随筆『徒然草』の作者。無常を見つめながらも、日々をどう生きるかを具体的な逸話で語る文章は、今も教科書の定番になっている。
のせている言葉:16こ(出典あり 16)更新:2026-10-20
この人の名言の一覧(16こ)
- つれづれなるままに、日暮らし硯にむかいて、心にう…
- 初心の人、二つの矢を持つことなかれ。後の矢をたの…
- なんぞ、ただ今の一念において、直ちにすることのは…
- あやまちは、やすき所になりて、必ず仕ることに候う…
- 勝たんと打つべからず。負けじと打つべきなり。
- 少しのことにも、先達はあらまほしきことなり。
- 花は盛りに、月はくまなきをのみ見るものかは。
- 世はさだめなきこそいみじけれ。
- ひとり灯のもとに文をひろげて、見ぬ世の人を友とす…
- よき友三つあり。一つには物くるる友、二つには医師…
- 能をつかんとする人、よくせざらんほどは、なまじい…
- 一時の懈怠、すなわち一生の懈怠となる。これをおそ…
- 一事を必ず成さんと思わば、他の事の破るるをもいた…
- 死期はついでを待たず。死は前よりしも来らず、かね…
- よろずの事は頼むべからず。
- 名利に使われて、静かなるいとまなく、一生を苦しむ…
それぞれの名言に、出典(どの本・手紙・演説か)と、確かさのしるし(出典あり伝承・出典未確認実は言っていない)をつけています。外国語の言葉は運営者が原文から訳しました。
つれづれなるままに、日暮らし硯にむかいて、心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるおしけれ。
出典:『徒然草』序段(1330ごろ年)
出典について『徒然草』の書き出し。Wikisource所収の『國文大觀』本文で確認した。旧かなは現代かなに直した。
意味と背景
現代語訳:することもなく退屈なのにまかせて、一日中すずりに向かい、心に浮かんでは消えていくとりとめのないことを、何となく書きつけていると、妙に気持ちが高ぶってくる。暇な時間から思いがけない創造が生まれることを示す、書くことの喜びの原点。
座右の銘にするなら・面接での答え方
何もない休日に、思いついたことをノートに書き出す習慣があります。そこから部活の練習メニューの改善案が生まれたこともあります。退屈な時間も使い方しだいで宝になる、という意味でこの一文が好きです。
初心の人、二つの矢を持つことなかれ。後の矢をたのみて、初めの矢になおざりの心あり。
出典:『徒然草』第九十二段(1330ごろ年)
出典について『徒然草』第九十二段で、弓の師匠が弟子に言った言葉として兼好が書き留めたもの。『國文大觀』本文で確認した。
意味と背景
現代語訳:初心者は矢を二本持ってはいけない。二本目の矢があると思うと、一本目をいいかげんに射てしまうからだ。毎回、当たり外れを考えず、この一本で決めると思え、と続く。次があると思う油断をいましめた有名な一節。
座右の銘にするなら・面接での答え方
模試で「本番があるから」と気を抜いた結果、本番でも同じミスをしました。それ以来、練習の一回一回を本番だと思って取り組んでいます。二本目の矢に頼らない、という意味でこの言葉を座右の銘にしています。
なんぞ、ただ今の一念において、直ちにすることのはなはだ難き。
出典:『徒然草』第九十二段(1330ごろ年)
出典について『徒然草』第九十二段の結び。『國文大觀』本文で確認した。
意味と背景
現代語訳:どうして、今この瞬間の思いのままに、すぐ実行することがこれほど難しいのだろうか。夕方には明日の朝があると思い、朝には夕方があると思って先延ばしにしてしまう人間の心の弱さを、自分のこととして嘆いている。
座右の銘にするなら・面接での答え方
「あとでやろう」が口癖でしたが、この言葉を知ってから、思いついたことは五分だけでもすぐ手をつけるようにしています。小さく始めると意外と最後まで進みます。今すぐやる難しさと大切さを教えてくれる言葉です。
あやまちは、やすき所になりて、必ず仕ることに候う。
出典:『徒然草』第百九段(高名の木登り)(1330ごろ年)
出典について『徒然草』第百九段で、木登りの名人が語った言葉として兼好が書き留めたもの。兼好は「身分は低いが聖人の教えにかなっている」と評している。
意味と背景
現代語訳:失敗というものは、もう安全だと思うような簡単な所まで来て、必ずしでかすものです。名人は、高い危ない所では何も言わず、軒の高さまで降りてきた時に初めて「気をつけて降りよ」と声をかけた。油断こそ最大の敵だという教え。
座右の銘にするなら・面接での答え方
アルバイトで慣れてきた頃にレジの打ち間違いをしてしまいました。この言葉を知り、慣れた作業ほど最後に確認を入れるようにしています。終わりかけが一番危ない、と自分に言い聞かせています。
勝たんと打つべからず。負けじと打つべきなり。
出典:『徒然草』第百十段(1330ごろ年)
出典について『徒然草』第百十段で、双六の名人がこつを聞かれて答えた言葉として兼好が書き留めたもの。『國文大觀』本文で確認した。
意味と背景
現代語訳:勝とうとして打ってはいけない。負けないように打つべきだ。どの手が早く負けるかを考えてその手を避け、一目でも負けを遅らせる手を選べ、と続く。兼好は、身を治め国を保つ道も同じだと結んでいる。
座右の銘にするなら・面接での答え方
試合でいつも勝ちを焦って大きなミスをしていました。この言葉を知り、まず失点しない堅実なプレーを心がけたら、結果的に勝てる試合が増えました。守りを固めることも攻めの一つだと学びました。
少しのことにも、先達はあらまほしきことなり。
出典:『徒然草』第五十二段(仁和寺にある法師)(1330ごろ年)
出典について『徒然草』第五十二段の結び。石清水八幡宮に参ったつもりが、ふもとの寺だけ拝んで帰ってきた法師の話のあとに書かれている。
意味と背景
現代語訳:ちょっとしたことでも、案内してくれる先輩はほしいものだ。一人で思いこみのまま進むと、肝心なところを見逃してしまう。分からないことは素直に人に聞くことの大切さを、笑い話で伝えている。
座右の銘にするなら・面接での答え方
入学当初、一人で手続きを進めて大事な締め切りを見落としかけました。それ以来、先輩に一言聞くことを恥ずかしがらないようにしています。今は自分が後輩の先達になれるよう、聞かれたことに丁寧に答えています。
花は盛りに、月はくまなきをのみ見るものかは。
出典:『徒然草』第百三十七段(1330ごろ年)
出典について『徒然草』第百三十七段の書き出し。『國文大觀』本文で確認した。
意味と背景
現代語訳:桜は満開の時だけ、月は曇りのない満月だけを見るものだろうか。雨の夜に見えない月を恋しく思い、部屋にこもって春が過ぎるのを知らずにいるのも趣深い、と続く。完全なものより、その前後や欠けた姿に美しさを見る心。
座右の銘にするなら・面接での答え方
結果が出た瞬間だけでなく、そこに至るまでの努力の日々にも価値があると思っています。部活でレギュラーになれなかった時期も、仲間を支えた経験は宝です。過程を大切にする言葉として座右の銘にしています。
世はさだめなきこそいみじけれ。
出典:『徒然草』第七段(1330ごろ年)
出典について『徒然草』第七段。『國文大觀』本文で確認した。
意味と背景
現代語訳:この世は、いつどうなるか定まっていないからこそ素晴らしいのだ。もし人が永遠に生きるなら、ものの情趣もなくなってしまうだろう。無常を嘆くのではなく、限りがあるからこそ今が輝くと肯定的にとらえた言葉。
座右の銘にするなら・面接での答え方
先のことが分からない不安で眠れない時期に、この言葉に救われました。決まっていないからこそ、自分の行動で未来を変えられます。不安を可能性に読みかえるための言葉として大切にしています。
ひとり灯のもとに文をひろげて、見ぬ世の人を友とするこそ、こよのう慰むわざなれ。
出典:『徒然草』第十三段(1330ごろ年)
出典について『徒然草』第十三段。『國文大觀』本では「見ぬ人を友とする」、一般に流布する本文では「見ぬ世の人を友とする」となっている。
意味と背景
現代語訳:一人、明かりの下で本を広げ、会ったこともない昔の人を友とすることこそ、この上なく心がなぐさめられることだ。本を読むことは、時代を越えて昔の人と語り合うことだという、読書の喜びを伝える一文。
座右の銘にするなら・面接での答え方
人間関係に疲れた時、歴史上の人物の伝記を読んで元気をもらってきました。本の中の人は、いつでも話を聞かせてくれる友だちです。読書を一生の習慣にしたいという思いから、この言葉を座右の銘にしています。
よき友三つあり。一つには物くるる友、二つには医師、三つには知恵ある友。
出典:『徒然草』第百十七段(1330ごろ年)
出典について『徒然草』第百十七段。前半には「友とするにわろきもの七つ」として、身分の高い人・若い人・病気をしない丈夫な人・酒好き・勇ましい武士・うそつき・欲深い人を挙げている。
意味と背景
現代語訳:良い友だちは三つある。一つ目は物をくれる友、二つ目は医者、三つ目は知恵のある友だ。きれいごとではなく、実際に助けてくれる人こそ良い友だという、兼好らしい本音とユーモアのこもった友人論。
座右の銘にするなら・面接での答え方
この段を読んで笑いましたが、困った時に具体的に助けてくれる人こそ本当の友だと共感しました。自分も、知恵を貸せる友、困った時に動ける友でありたいと思い、頼まれごとには具体的に応えるようにしています。
能をつかんとする人、よくせざらんほどは、なまじいに人に知られじ。
出典:『徒然草』第百五十段(1330ごろ年)
出典について『徒然草』第百五十段の書き出し。ただしこれは兼好が「よくある考え」として挙げたもので、すぐ後に「こう言う人は一芸も身につかない」と否定している。言葉だけを切り取ると逆の意味に誤解されやすい。
意味と背景
現代語訳:芸を身につけようとする人は「上手にできないうちは人に知られないようにしよう」とよく言う。だが兼好は、そう言う人は何も身につかないと否定し、下手なうちから上手な人の中に交じって笑われても恥じずに続ける人が、やがて名人になると説く。
座右の銘にするなら・面接での答え方
下手なうちは人前に出たくないと思っていましたが、この段の本当の意味を知って考えを変えました。軽音部で、下手でもライブに出続けたら一年で見違えるほど上達しました。恥をかく勇気が上達の近道だと実感しています。
一時の懈怠、すなわち一生の懈怠となる。これをおそるべし。
出典:『徒然草』第百八十八段(1330ごろ年)
出典について『徒然草』第百八十八段。『國文大觀』本文で確認した。
意味と背景
現代語訳:ほんの一時の怠けが、そのまま一生の怠けになってしまう。これを恐れなければならない。今日だけ、と思った小さな先延ばしが習慣になり、結局は何も成しとげられずに終わることへの警告。
座右の銘にするなら・面接での答え方
毎日の筋トレを「今日だけ休もう」とした結果、一か月続かなくなった経験があります。この言葉を知ってからは、疲れた日でも一回だけはやると決めています。小さな怠けを積み重ねないための戒めです。
一事を必ず成さんと思わば、他の事の破るるをもいたむべからず。人の嘲りをも恥ずべからず。
出典:『徒然草』第百八十八段(1330ごろ年)
出典について『徒然草』第百八十八段。「万事にかへずしては一つの大事成るべからず」と続く。『國文大觀』本文で確認した。
意味と背景
現代語訳:一つのことを必ず成しとげようと思うなら、ほかのことがだめになっても悔やんではいけない。人に笑われても恥じてはいけない。すべてと引きかえにしなければ、一つの大事は成しとげられない。選択と集中の大切さを説いた言葉。
座右の銘にするなら・面接での答え方
資格試験の前、遊びの誘いを断るのがつらかったですが、この言葉を支えに勉強に集中し合格できました。何かを得るには何かを手放す覚悟がいる、と学んだ経験から、この言葉を座右の銘にしています。
死期はついでを待たず。死は前よりしも来らず、かねて後ろに迫れり。
出典:『徒然草』第百五十五段(1330ごろ年)
出典について『徒然草』第百五十五段。『國文大觀』本文で確認した。
意味と背景
現代語訳:死は順番を待ってはくれない。しかも死は前からやって来るのではなく、いつの間にか後ろに迫っている。沖の干潟は遠く見えても、潮は足元の磯から満ちてくるようなものだ、と続く。だからこそやりたいことを先延ばしにするな、という教え。
座右の銘にするなら・面接での答え方
祖父が急に倒れた時、いつか伝えようと思っていた感謝の言葉を言えずに後悔しました。この言葉を知ってから、大切な人には思った時に気持ちを伝えるようにしています。
よろずの事は頼むべからず。
出典:『徒然草』第二百十一段(1330ごろ年)
出典について『徒然草』第二百十一段の書き出し。『國文大觀』本文で確認した。
意味と背景
現代語訳:どんなことも、あてにしてはいけない。愚かな人は物事を深くあてにするから、裏切られて恨んだり怒ったりする。権勢も財産も才能も徳も、あてにすればいつか崩れる、と続く。期待しすぎない心が、かえって人を自由にする。
座右の銘にするなら・面接での答え方
人に期待しすぎて裏切られたと落ちこむことが多かったのですが、この言葉で考えが変わりました。頼らないのではなく、あてにしすぎない。そうすると人に優しくでき、思いがけない助けに素直に感謝できるようになりました。
名利に使われて、静かなるいとまなく、一生を苦しむるこそ愚かなれ。
出典:『徒然草』第三十八段(1330ごろ年)
出典について『徒然草』第三十八段の書き出し。『國文大觀』本文で確認した。
意味と背景
現代語訳:名誉や利益に振り回されて、心静かに過ごす暇もなく、一生を苦しんで過ごすのは愚かなことだ。財産が多いと身を守るのに忙しく、かえって災いを招く、と続く。何のために働くのかを問い直させる言葉。
座右の銘にするなら・面接での答え方
成績や評価ばかり追いかけて疲れ切った時期がありました。この言葉で、何のために頑張っているのかを見つめ直し、自分が本当に楽しいと思えることを大事にするようにしました。心の余裕が戻ってきました。
人物の説明の参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/吉田兼好
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