出典:国立国会図書館「近代日本人の肖像」(https://www.ndl.go.jp/portrait/)島崎藤村の名言
島崎藤村|1872〜1943年|日本(筑摩県馬籠村=岐阜県中津川市)|詩人・小説家
中山道の宿場・馬籠の旧家に生まれた。詩集『若菜集』で、恋や青春をみずみずしく歌い、近代詩の扉を開いた。その後は小説に転じ、差別に苦しむ青年を描いた『破戒』で自然主義文学の代表作家となった。晩年には、父をモデルに幕末・明治維新の時代を描いた大作『夜明け前』を書き上げた。子ども向けの童話や「いろはかるた」も残している。
のせている言葉:16こ(出典あり 16)更新:2026-10-20
この人の名言の一覧(16こ)
- 木曾路はすべて山の中である。
- 遂に、新しき詩歌の時は来りぬ。
- 生命は力なり。力は声なり。声は言葉なり。新しき言…
- 誰か旧き生涯に安んぜむとするものぞ。おのがじし新…
- 思えば、言うぞよき。ためらわずして言うぞよき。
- 小諸なる古城のほとり、雲白く遊子悲しむ。
- まだあげ初めし前髪の、林檎のもとに見えしとき、前…
- 星まで高く飛べ。
- 竹のことは竹に習え。
- 空飛ぶ鳥も土を忘れず。
- 誠実は残る。
- 決心一つ。
- 枝葉より根元。
- 笑顔は光る。
- 持ちつ持たれつ。
- のんきに根気。
それぞれの名言に、出典(どの本・手紙・演説か)と、確かさのしるし(出典あり伝承・出典未確認実は言っていない)をつけています。外国語の言葉は運営者が原文から訳しました。
木曾路はすべて山の中である。
出典:小説『夜明け前』第一部 序の章の冒頭(1929年から『中央公論』に連載)
出典について『夜明け前』の最初の一文(青空文庫の本文どおり)。
意味と背景
藤村のふるさと、中山道の木曾路を舞台にした大作の書き出し。一本の街道が深い森を貫く山国の姿を、短い一文で描き切っている。この山の中にも、幕末から明治への時代の大きな波が押し寄せてくる。日本の小説で最も有名な書き出しの一つである。
座右の銘にするなら・面接での答え方
座右の銘には向かないが、ふるさとを語る自己紹介で使える。木曽や長野・岐阜出身の人なら「藤村が『木曾路はすべて山の中である』と書いた土地で育ちました」と言うと、印象に残る。
遂に、新しき詩歌の時は来りぬ。
出典:『藤村詩集』自序(明治37年=1904年夏)
出典について『若菜集』『一葉舟』『夏草』『落梅集』の四冊をまとめた『藤村詩集』に藤村が書いた序文の書き出し(旧字「來」を「来」に直した)。
意味と背景
古い形にとらわれた詩から、自分の心を自由に歌う新しい詩の時代がついに来た、と高らかに宣言した言葉。夜明けのように美しいその時代に、若者たちが寝食を忘れて詩に打ち込んだ様子が続けて描かれる。近代詩の始まりを告げる名文である。
座右の銘にするなら・面接での答え方
新しい仕事や時代の始まりに立つ時のスピーチで使える。「遂に、新しき時は来りぬ。藤村のように、新しい時代を自分の言葉で開いていきたい」と、入社式や新年のあいさつに引用すると格調が出る。
生命は力なり。力は声なり。声は言葉なり。新しき言葉はすなわち新しき生涯なり。
出典:『藤村詩集』自序(1904年)
出典について『藤村詩集』の自序にある(旧字を直した。原文は「新しき言葉はすなはち新しき生涯なり」)。直前に「誰か旧き生涯に安んぜむとするものぞ」とある。
意味と背景
命は力であり、力は声となり、声は言葉となる。だから新しい言葉を持つことは、新しい生き方を始めることだ、という藤村の信念。「誰が古い生き方に安住しようとするだろう、新しいものを開くのが若い人のつとめだ」という呼びかけと一続きになっている。
座右の銘にするなら・面接での答え方
「新しい言葉を学ぶことは新しい生き方を手に入れること」と、語学や新しい分野の学びへの意欲を語る時に使える。留学や転職の志望動機の結びに添えると、熱意が伝わる。
誰か旧き生涯に安んぜむとするものぞ。おのがじし新しきを開かんと思えるぞ、若き人々のつとめなる。
出典:『藤村詩集』自序(1904年)
出典について『藤村詩集』の自序にある(旧字・旧かなを少し直した。原文は「誰か舊き生涯に安んぜむとするものぞ。おのがじゝ新しきを開かんと思へるぞ、若き人々のつとめなる」)。
意味と背景
いったい誰が古い生き方に満足していられるだろうか。それぞれが新しい道を開こうと思うことこそ、若い人々のつとめだ、という意味。明治の若者たちに向けた言葉だが、今の若い世代の背中を押す力も失っていない。
座右の銘にするなら・面接での答え方
「前例どおりで満足せず、自分なりの新しいやり方を開いていくのが若い世代の役目だと考えています」と、挑戦の姿勢を語る時に使える。新卒の面接や成人式のスピーチに向く。
思えば、言うぞよき。ためらわずして言うぞよき。
出典:『藤村詩集』自序(1904年)
出典について『藤村詩集』の自序にある(旧かな「思へば、言ふぞよき」を今のかなに直した)。
意味と背景
嘆きや悩みを胸にしまい込まず、思ったなら言葉にするのがよい、ためらわずに言うのがよい、という意味。藤村は詩を書くことで、自分の身と心を救ったと続けている。言葉にすることが心を軽くするという、今にも通じる知恵である。
座右の銘にするなら・面接での答え方
「困ったことや気づいたことは、ためらわず早めに言葉にするようにしています」と、報告・相談の早さをアピールする時に使える。悩みを抱え込みがちな人への励ましとしても紹介できる。
小諸なる古城のほとり、雲白く遊子悲しむ。
出典:詩「千曲川旅情の歌」(詩集『落梅集』1901年)
出典について『藤村詩集』に収められた「千曲川旅情の歌」の書き出し(青空文庫の本文どおり)。
意味と背景
長野県・小諸の古城のあたりで、白い雲を見上げながら、旅人(遊子)である自分は物悲しい思いにひたる、という詩の始まり。藤村は小諸義塾の教師として小諸に住んでいた。早春の信州の寂しく美しい風景が、心の憂いと重なって歌われている。
座右の銘にするなら・面接での答え方
座右の銘には向かないが、旅やふるさとを語る場面で使える。小諸や長野の出身者なら、自己紹介で引くと印象に残る。旅先で心が動いた経験を語るスピーチの引用にもよい。
まだあげ初めし前髪の、林檎のもとに見えしとき、前にさしたる花櫛の、花ある君と思いけり。
出典:詩「初恋」(詩集『若菜集』1897年)
出典について『若菜集』の「初恋」の第一連(旧かな「思ひけり」を「思いけり」に直した)。
意味と背景
初めて髪を結い上げたばかりの少女が、りんごの木の下に現れた時、前髪にさした花櫛のように、花のように美しい人だと思った、という初恋の始まりの場面。日本の近代詩で最も有名な恋の詩の一つで、教科書にも長く載っている。
座右の銘にするなら・面接での答え方
座右の銘には向かないが、恋愛や青春をテーマにしたスピーチ、結婚式のあいさつで引用できる。「藤村の『初恋』のような気持ちを忘れずに」と結ぶと、品のある話になる。
星まで高く飛べ。
出典:『藤村いろは歌留多』「ほ」(昭和2年=1927年、実業之日本社)
出典について藤村が子どものために作った「いろはかるた」の読み札(青空文庫の本文どおり)。
意味と背景
藤村が「子供よ、来て遊べ」と、親子で遊ぶために作ったかるたの一枚。夢や目標は、星に届くくらい高く持ちなさい、という子どもへのまっすぐな励ましである。短くて覚えやすく、子どもの座右の銘にもぴったりの言葉だ。
座右の銘にするなら・面接での答え方
小学生や中学生の座右の銘に向く。「目標は高く持つと決めています。藤村がかるたに書いた『星まで高く飛べ』が好きです」と言えば、明るく前向きな人柄が伝わる。
竹のことは竹に習え。
出典:『藤村いろは歌留多』「た」(1927年)
出典について「いろはかるた」の読み札(原文「竹のことは竹に習へ」)。芭蕉の教えとして弟子が伝えた「松のことは松に習へ、竹のことは竹に習へ」(服部土芳『三冊子』)をふまえたものとみられる。
意味と背景
竹のことを知りたいなら、本や人の話より、竹そのものをよく見て学べ、という意味。芭蕉の言葉として伝わる教えを、藤村が子ども向けのかるたにしたもの。物事を学ぶには、実物をよく観察し、思い込みを捨てることが大切だと教えている。
座右の銘にするなら・面接での答え方
「調べものは、ネットの情報より現場や実物を見ることを大事にしています」と、現場主義を語る時に使える。芭蕉の教えが元になっていると添えると、教養も伝わる。
空飛ぶ鳥も土を忘れず。
出典:『藤村いろは歌留多』「そ」(1927年)
出典について「いろはかるた」の読み札(青空文庫の本文どおり)。
意味と背景
空高く飛ぶ鳥も、羽を休め、えさを取るために土に降りてくる。どんなに高く上っても、自分の足もと、ふるさと、育ててくれたものを忘れるな、という教え。「星まで高く飛べ」と組み合わせると、藤村の願いがよく分かる。
座右の銘にするなら・面接での答え方
「どれだけ成長しても、育ててくれた人やふるさとへの感謝は忘れないでいたい」と語る時に使える。地元を離れて働く人や、ふるさとに恩返ししたい人の座右の銘に向いている。
誠実は残る。
出典:『藤村いろは歌留多』「ま」(1927年)
出典について「いろはかるた」の読み札(原文「誠實は殘る」)。
意味と背景
うまいやり方や見かけの華やかさはやがて忘れられるが、誠実に行ったことは、いつまでも人の心に残る、という意味。たった五文字で、生き方の芯になる教えを子どもに伝えている。仕事でも人間関係でも通じる言葉である。
座右の銘にするなら・面接での答え方
短くて言いやすい座右の銘。「器用ではありませんが、誠実は残ると信じて、一つ一つの仕事を丁寧にしてきました」と言えば、信頼される人柄が伝わる。
決心一つ。
出典:『藤村いろは歌留多』「け」(1927年)
出典について「いろはかるた」の読み札(青空文庫の本文どおり)。
意味と背景
できるかどうかは、才能や環境より、まず心を決めるかどうかにかかっている、という意味。短い言葉に、迷っている背中を押す力がある。子ども向けのかるただが、大人が大きな決断をする時にも響く言葉である。
座右の銘にするなら・面接での答え方
「転職も資格の勉強も、最後は決心一つだと思って踏み出しました」と、決断の経験と組み合わせて使える。四文字なので、面接で「座右の銘は?」と聞かれてすぐ答えやすい。
枝葉より根元。
出典:『藤村いろは歌留多』「え」(1927年)
出典について「いろはかるた」の読み札(青空文庫の本文どおり)。
意味と背景
細かい枝葉のことにこだわるより、木を支える根元を大切にせよ、という意味。勉強なら基礎、仕事なら目的、人間なら心という根っこを育てることが、すべてを支えると教えている。
座右の銘にするなら・面接での答え方
「小手先のテクニックより、基礎を固めることを大事にしています」と、勉強や仕事の姿勢を語る時に使える。受験生なら、教科書の基本に戻って成績を上げた経験と組み合わせるとよい。
笑顔は光る。
出典:『藤村いろは歌留多』「ゑ」(1927年)
出典について「いろはかるた」の読み札(原文「笑顏は光る」)。
意味と背景
笑顔は、本人だけでなく周りまで明るく照らす光のようなものだ、という言葉。暗い話も多い近代文学の作家が、子どもたちには笑顔の大切さを短く伝えている。家庭や職場の雰囲気づくりの心得としても使える。
座右の銘にするなら・面接での答え方
接客業の面接にぴったり。「笑顔は光るという言葉のとおり、疲れている時ほど笑顔でお客様をお迎えするようにしています」と言えば、明るさと気配りが伝わる。
持ちつ持たれつ。
出典:『藤村いろは歌留多』「も」(1927年)
出典について「いろはかるた」の読み札(青空文庫の本文どおり)。言い回し自体は昔からある慣用句。
意味と背景
人は互いに助けたり助けられたりして生きている、という意味の昔からの言い回しを、藤村はかるたの一枚に選んだ。一人で全部抱え込まず、頼ったり頼られたりする関係の大切さを、子どもにも分かる言葉で伝えている。
座右の銘にするなら・面接での答え方
「チームでは持ちつ持たれつを大事に、困った時は頼り、余裕がある時は手を貸すようにしています」と、協調性を語る時に使える。ありふれた言葉なので、藤村が選んだと添えると印象が変わる。
のんきに根気。
出典:『藤村いろは歌留多』「の」(1927年)
出典について「いろはかるた」の読み札(原文「のんきに根氣」)。
意味と背景
気持ちはのんびり構えながら、根気よく続けることが大切だ、という言葉。焦ってがむしゃらにやると長続きしないが、気楽に、でもやめずに続ければ、いつか形になる。努力を続けるコツを、やわらかく教えてくれる。
座右の銘にするなら・面接での答え方
「勉強も仕事も、のんきに根気で続けることを大事にしています。毎日少しずつ英語を続けて三年になります」と、無理なく続けている習慣と組み合わせると、親しみやすい答えになる。
人物の説明の参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/島崎藤村
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